塾長ブログ
8.52020
口ぐせに興味をもつ
先日、ある生徒と話をしているときに、こちらからの質問に対して、
「一応」
という答えが頻繁に返ってきて、
「一応って、色々に使える言葉だね」
と言って一緒に笑いました。
別に私の質問を無視しようとしているわけでも、拒絶しているわけでもないのですが、連続して「一応」が返ってきたので、私も思わず笑いました。
皆さんのお子さんがよく口ぐせのように使う言葉は何でしょう?
「まあまあ」
「大丈夫」
「別に」
「ふつう」
「わかんない」
などの言葉も塾で耳にします。
これらは、子どもたちの中で無意識に反射的に出ているものです。
「うん」でも「はい」でもなく、「良い」でも「悪い」でもなく、「うれしい」でも「悲しい」でもない曖昧な言葉です。
そして無意識に使っていても、実は本人にとっては意味のある言葉なのです。
その言葉を使うメリットがあると言ってもいいでしょう。
はぐらかしたかったり、深く考えたくなかったり、その場をやり過ごしたかったり、どちらとも取れるようにしたかったり…、
どういう意味で使っているのかは、他人にはわかりませんが、その言葉の便利さに気づき、いつか無意識に使うようになったのかもしれません。
もしかすると、私たち大人が使っている言葉をまねしているのかもしれません。
これらの言葉が悪いわけではありませんが、日常的にこのような曖昧なコミュニケーションに終始していると、
コミュニケーションの質を低下させてしまう恐れがあり、対人トラブルの原因にもなります。
また情緒の発達に重要な、自分との対話を避けるようにもなっていきます。
聞き手としては、意味がわからないからこそ、言葉の意味を決めつけずに、その言葉に興味を持って聞いてみましょう。
「それって何%くらい?」
「別の言葉で言い換えてみるとどんな言葉?」
「そのあとに一言付け加えるとしたらどんな言葉?」
など興味をもって問いかけてみましょう。
こういう作業をしていると自分と対話する力にもつながっていくと思います。
是非やってみてください。
塾長 木口