塾長ブログ

「どうせ」の気持ち

皆さんは、「どうせ」という言葉をどんな場面で使うでしょうか?

「どうせ」という言葉を辞書で引いてみると
どうせ:① ある状態や結果を、はじめから定まったものとして認める気持ちを表す。しょせん。
② ある事態を受け入れるしかないのなら、むしろその機会を積極的に利用しようとするさま。いっそ。
(大辞林)
と書いてあります。

子どもたちから聞こえてくるのは、①の使い方で自分を卑下したり、自虐的に扱ったりするときが多いように感じます。
 どうせ俺なんか・・・
 どうせやってもできないし・・・
皆さんは耳にしますか?

先日、この春高校を卒業し、今専門学校に通っている元塾生の子からLINEがありました。
前期の単位を全部取得し、限定試験というのにも2つ合格した。
との内容でした。

この生徒は、発達障害と軽度知的障害を持った子で中学は支援クラス、高校は通信制に通い、高校卒業するまで塾でサポートしてきました。
(最終年はオンライン)
正直、高校の英語や数学は彼の能力を超えた範囲でしたが、一緒にレポートを仕上げたり高校の先生のサポートもあり無事卒業、今も頑張っています。

その子は自分の能力をしっかりと把握したうえで常に前向きです。
やる前から「それは無理」とハッキリ言います。
でもそれは自分の能力をしっかりとつかんでいるから。
少しでも可能性を感じた時は「ちょっとやってみるか」「これやりたい」と言ってきました。
今思うと、彼から「どうせ・・・」という言葉を聞いた記憶はありません。

まわりからのいじめや心無い言葉もいっぱい受け、中学時代は先生からも無視されるような経験もしたと聞いています。
心が折れ、自虐的になり人生に絶望するような状況になってしまう要素がいっぱいあるにもかかわらず、明るく前向きです。

そんな彼の心を支えているのは、お母さんの「この子にできることがある」「この子は大丈夫」という大きな『信頼』だと感じています。
さらに、中学で一年だけ担任だった先生の今も続く個人的サポートが、彼を「どうせ」にしていないのだと思います。

一人でも自分を信じてくれる大人がいることで、子どもは「どうせ」にならないで前向きになれます。
塾で「どうせ」が聞こえたら私の責任!、しっかりと信じる大人の一人になっていきたいと改めて思ったLINEでした。

塾長 木口

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