塾長ブログ
3.12021
色メガネで見ている
オリンピック組織委員会の森会長の発言は世界中を巻き込んだ大問題となりました。
その発言が女性差別の内容だということで、問題になったわけです。
本人はそう言う気持ちはなかったと釈明しましたが、世界は認めてくれませんでした。
私もあの発言は完全にアウトだと思いましたが、よくよく考えてみると自分にも通じる部分があることに気づかされ、ハッとしました。
今回の発言の根底には、「男は○○だ、女は□□だ」と科学的根拠も法的根拠もないのに決めつけている、思い込み、信じ込みがあるのだと思うのです。
私たちは注意したり、叱るときに、性別や年令、兄弟関係など、大きなひとくくりにして、
『こういうものだ』『こうあるべきだ』と決めつけて言っていることがあります。
子どもに対してだと
「もう中学生なんだから一人で起きなさい」
「女の子なんだから行儀よくしなさい」
「お兄ちゃんなんだから弟の面倒を見なさい」
こんな言葉を使ってはいないでしょうか?
心の中にある『中学生(女の子、お兄ちゃん)はこうあるべき』という思い込み、信じ込み、
そして何かをひとくくりにすることで理由付けをしやすくしているのです。
しかもこれらは、中学生であることも、女の子であることも、お兄ちゃんであることも逃れようのない理由なので、子どもにとって納得できないのに反論しにくい状況になります。
親としてはとても好都合です(笑)
本当は「一人で起きなさい」で十分なのに、「中学生なんだから」というひとくくりにした言葉をつけてしまうのです。
こういった言葉で育った子どもは自然とそういった思い込みも刷り込まれ、大人になったときに無意識にべっ視発言をしてしまうのではないでしょうか。
色メガネで見ると全体が赤く見えたり、青く見えたり同じように見えてしまいます。
性別や小学生/中学生といった色メガネで見ていることに気づいたら、メガネをはずしてその子自身をもう一度よく見てみましょう。
きっとその子その子に合った言葉を届けられるはずです。
塾長 木口