塾長ブログ

近回しに言う

日本人的な文化(?)の中に、「言わなくても、相手の気持ちを察するのが素晴らしい」というようなものがあるように思います。
豊臣秀吉が織田信長の草履をふところで温めておいて、「気が利くやつじゃのう」なんて言われたかどうか、そんな話も耳にします。
話題になった忖度(そんたく)なんて言うのも、いかにも日本人的な気がしますね。

一方で、「○○やっておいたよ」なんて言われて、やらなくてもよかったのに、また余計なことを…
こんなことも、少なからずあるのではないでしょうか。
その人は良かれと相手を思ってやったつもりなのに、ありがた迷惑になってしまう。
やる前に「○○やってあげようか?」とひとこと確認すれば、それですんだのです。
やはり、〝無言〟のコミュニケーションより、言葉にするコミュニケーションの方が効率的ですね。

日常生活の中でこのような〝無言〟とまではいかないものの、私たちは遠回しに伝えようとすることがよくあります。
手伝ってほしいときに「あー忙しいな」
カレーが食べたいときに「しばらくカレー食べてないなぁ」
宿題を早く終わらせてほしいときに「宿題終わったらおやつがあるんだけどな…」
こんな風に言っていませんか?

直接はっきりと「手伝ってくれる?」「今日カレー食べたい」「宿題を早く終わらせてほしいな」と言わずに、遠回しに言うのです。
〝無言〟よりは伝わると思いますが、正確に伝わるかどうかは微妙です。
特に自閉症スペクトラムの人は、遠回しな言い方を察するのが難しいと言われています。

本当は、遠回しにまわりくどく言うよりも、直接はっきりと伝えた方がコミュニケーションの近道なのです。
〝遠回し〟に言うよりも〝近回し〟に伝えてみましょう。
誤解もなく、コミュニケーションの風通しが良くなっていきますよ。

塾長 木口

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